今年読んだ本 The Book I Read in 2016
その内に一度書こうかと思いながら、もう年末になってしまいました。実際には、8月3日に読み終わった1冊の英語の本を紹介しておきたいと思います。
Daniel J. Boorstin "The Americans -The National Experience-" 1965, Random House, INC.
同じ著者の"The americans -The Colonial Experience" の続編で、アメリカ合衆国の独立以後、19世紀の後半あたりまでの、国家kとしてのアメリカとその社会がどうのように形づくられてきたかを書いています。一般向けの歴史書ですが、歴史学の専門書に近いところもあり、なかなか英語も難しく、十分理解できたとはいえませんが、30数年前にアメリカにいたときに購入して、ほとんど読めずに書棚に積んでいたのを、なんとか読み通したので、なにか借りを返したような気分になりました。
話題はたいへん多岐にわたり、司馬遼太郎のような博覧強記ぶりです。とても短い記事で紹介できません。
西部開拓時代には、とにかく早く未開の土地に着いて、占有することが大事だったので、河川の舟運や鉄道は、能力いっぱいまで速度を上げて急ぐのが当たり前で、その反面、蒸気機関の爆発、沈没、列車の脱線、転覆などが頻繁に起きていたという話が印象に残りました。そのころの人々はリスクをとるのが普通で、慎重に安全にといっていたら競争に負けてしまうという考え方だったようです。
これは、国民性として、現代にも及んでいるかも知れません。
また、ちょうど鉄道が実用化された時代にまだ西部の大平原が未開拓に残っていたという巡り合わせで、急速に開拓が進み、広々とした大地に豊かなコミュニティーが次々に作られていったことは、人類史の上でも特別なことで、アメリカ人だけでなく、我々を含め世界中の人が認識しておいて良いように思いました。
11月の大統領選挙で、アメリカが注目を浴びましたが、アメリカもかなり大きな変化を経てきていて、国民もそれをあまり恐れないということがこの本から分かっていたので、多少、状況の理解も進みました。
19世紀の前半には、ボストンを中心とするニューイングランドが技術、生産などで優位に立ち、冬の氷を切り出して、冷蔵庫で食品を保存することに成功して、世界中と交易したり、捕鯨で大洋に乗り出したりしていたことも書かれていました。
そのことは日本へのペリー来航とも少し関係しています。
この本は、さらに書き継がれて3冊シリーズになっており、"-The Democratic Experience-" というものが出ていますけれど、取り組む覚悟はまだできていません。
写真は直接の関係がありませんが、日本とは違う大陸の自然のスケールの大きさを示しているナイアガラの滝です。
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