指定無視の重ね呼び Endless Callers in Pile-ups
このテーマについて当局のようにあまり技術レベルが高くなく○○の横好きでCWをやっているものが何か書くのはいかがかと思いましたが、一般にいわれていることとは少し違うことを考えていて、何か思い付くと書いてみたくなる性分なのでお許しください。
ちょうどCQ誌3月号のOE1ZKC(JH4RHF)局による1A0C、マルタ騎士団からの運用記に「パイルアップを呼ぶマナーについて」との見出しで関連のことが出ていましたので(pp.85-86)、今のうちにということもあります。
私見では、この問題を「マナー」の問題として扱ってもあまり改善が見込めないのではないでしょうか。
「マナー」はたしかにいろいろな使い方があり、間違いとはいえませんが、「テーブルマナー」、冠婚葬祭のマナーなどで使われる場合には、ちょっとおかしくても多くの人々がやっているならいいことになります。無線の世界でも、あなたはマナーが悪いといっても「他の大勢がやっているからこちらもやっているだけです」で終わってしまいそうです。
どうも近年はCWの実技の試験がなくなったり、フォーンやデジタルモードでのDXCCハンティングがほぼ終わってしまった人が増えたり、PCを使ったデコーダー(解読器)や解読器内蔵リグが使われるようになったり、様々な要因で、CWでオンエアしてくる局の通信技術、端的には耳での受信能力が低下しているのではないでしょうか。
アマチュア無線家は各自それなりにプライドがあるので、技術が低い、○○だ、といわれた方が行いを改めるのではないでしょうか。
あるフォーンでは一流DXerの実績がありタワーとビーム、KWの免許があって、かなりCWでも珍しいところが聞こえるとアクティブ呼んでいる人から、CWは良くとれないけれど自分のコールかどうかぐらいは分かるのでこのごろはCWもやっていると聞いたことがあります。それでもこちらで聞いているとコールが返ってきたのにすぐには出ていかなかったり、まだ呼んでいることがありました。
このレベルとご本尊が他人のコールを打ったのにもしかしたら自分かも知れないと呼んでいるのは紙一重で、大勢の中にはそのような人がいる可能性があります。また自分ではないらしいと感じても、はっきりコールが取れない場合はどこかの誰かさんだから妨害になっても構わないと思ってしまうのではないでしょうか。(当局も弱い信号の局を呼んで応答がQSBの谷に入ってしまったようなときは仕方ないのでもう一度呼びますが。)
誤解されると困りますが、CWの技量が高くない人はするなという趣旨ではなく、しても構いませんがほかの迷惑にならないように注意してやって欲しいということです。
もちろんこの他に実際に多いのは「赤信号みんなで渡れば怖くない」で他の人がやっているからやらなければ損という人かと思います。これらの人々は今の状況では技量が低いと間違われることを承知でやる思慮の浅い人だといえます。幸いに今のところ知り合いにはいませんが、もしいたら「○○だなあ」といってあげようと思います。「いやご本尊の送信はとれてるよ」といったら「頭でとれても手が動いてしまったらとれていないのと同じだよ」というつもりです。
多くの人は"UP"、 "EU"、 "QRX"など短い定型の指定は分かっていて、指示に従わないずに送信する人がいると心の中で「○○」とか"・・・"といっていると思います。それが5文字や6文字のコールサイン、またはその一部の文字でたくさんのバリエーションがある文字列になると、お構いなしに送信しているわけですが、同じように恥ずかしいと思うべきです。
多数の中には確信犯の人もいるかと思います。残念ながらEUに多いようですけれど、"TU", "TU CQ …”の前に呼ぶのは陸上競技でいえばフライイングの反則で、ルールに従っているかどうかの問題です。
無線のパイルアップでは審判がいないので違反者にペナルティーを課すことが難しいわけですが、一つの対策としては、DXの側でランダムに録音し、あまりルール違反が甚だしい局はログから落とすようにしてはどうでしょうか。そのようにアナウンスするだけでも効果が期待できるかも知れません。
所詮は遊びなので技術レベルのことなどをあまり目くじら立てていうのはいかがかとも思いますが、せっかくの楽しい趣味をつまらないものにしないような対策ができると良いと思います。
先般の大DXペディションでは皆が秩序ある呼び方をすれば、局を裁くスピードは優に2倍、3倍に上がり、おこぼれ頂戴組にも順番が来たかも知れません。それにもまして気になるのは、"JA"指定でオペレーターの同国人を多数待たせていたのに指定無視局のために交信がはかどらず、国際親善にもマイナスだったと思います。
違反者にペナルティーを課したり注意したりするきらわれ役は個人では難しいので、DXペディションの組織やクラブで対応していただければありがたいです。
なお、前掲のCQ誌記事は、見出しは別にして内容は共感できるものでした。
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