オレゴン・トレイルとサウス・パス Oregon Trail and South Pass
MO, KS, NE, WY, ID, OR と並んだ文字列が何のことかお分かりでしょうか。「オレゴン・トレイル」が通っているアメリカ合衆国の州の短縮符号です。
以前にラナルド・マクドナルドの伝記を読んだときに、19世紀の前半、まだ北米大陸を横断する鉄道が開通していなかったころに、人々はどのようなルートで西海岸へ行ったのか知りたくなって、あれこれ見ていました。そのときに、東部から陸路オレゴンに向かった移住者たちが通ったコースであるオレゴン・トレイルのことを知りました。
ときどき立ち寄って、予定と予定の間の時間つぶしをしたりする図書館に「オレゴン・トレイル物語-開拓者の夢と現実」(天野元、藤本雅樹、藤谷聖和著、1997、英宝社刊)という格好の本があったので、拾い読みをして、およそのことを掴みました。この本は、当時の移住の歴史、実際にどのような車や動物を使い、どのような携行品を積んだのかなどが解説してあるほか、後半は、実際にトレイルをたどって沿道の要所の様子を書いてあり、中に当時の移住者の日記などを織り込んである、親切な本です。
コースは、当然、西海岸とミシシッピ川流域の分水嶺、Continental Divideであるロッキー山脈をどこかで越えなければいけないのですが、「サウス・パス」という峠がワイオミング州の西南部にあり、ここは、峠といっても高原状のほぼ平坦なところで、移住者の荷車、ワゴン(英語ではcovered wagon)が通れたのです。1812年に発見され、以後、ここを通るルートが移住者たちに使われることになりました。
このような地形のところが無ければ、西部開拓の歴史も違ったものになったであろうといわれるくらい、トレイルのポイントとなるところです。それでも分水嶺なので、標高は2,260メートルあり、かなり寒くなるそうです。アメリカのような大陸でなければ絶対に見られない地形なので、行ってみたくなりました。
オレゴン・トレイルのワイオミング州部分。トレイルを緑線で引き、主な通過点を○で囲んでいます。赤の破線がコンチネンタル・ディバイドです。2本になっているところがあるのは、くぼ地状になっているのでしょうか。
ワイオミングでは、ロッキー山脈が北西から東南に連なっているので、トレイルもそれとほぼ直角に東北から西南に抜けています。
ただ、出発点とされたミズーリ州インディペンデンス(現在のカンザスシティー付近)からは、真西へ進むのではなく、ほぼミシシッピの支流のノース・プラット川に沿って、北西方向に進んでいます。
本に教えられたのは、西部への移住というと、「幌馬車」ということになっていて、映画などでも幌馬車隊がインディアンと戦ったりするのですが、実際には、主に雄牛が幌の付いたワゴン(四輪の荷車)を引いたということです。馬は持久力が無く、高価であるほか、インディアンに盗まれやすい(脚が早いので、盗んだインディアンが逃げやすい)という欠点があり、あまり使われなかったのだそうです。
トレイルの保存を目的にしたオレゴン・カリフォルニア・トレイルズ・アソシエーションOregon-California Trails Associationという組織があり、そのホームページに、地図や沿道の写真などが載っています。
http://octatrails.micromaps.com/
(日本人で会員になっているという小田さんの「小田山荘・蓼科高原ゲストハウス」というホームページを参考にさせていただきました。)
ちなみに、先日のARRL 10m コンテストでは、上記の6州のうち、WYとKSが交信できませんでしたが、K9DRという局から当方のCQをコールしてもらいました。この局は、QRZ.comでみると、本来はWYの局で、現在たまたまAZに住んでいるようです。
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