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2012年12月28日 (金)

“The Last Words” 「最後の言葉」と長田和美海軍大佐

“The Last Words” is the title of a book written by Kiyoshi Shigematsu and Ko Watanabe and published by Kodansha, Tokyo, Japan, in 2004. It is on the diaries written by four Japanese army and navy men who were killed in action during the Pacific War. Those diaries were found by the Allied forces and translated to English for intelligence. Agents of the NHK, the public television and radio station in Japan, came to know the existence of those diaries in the National Archive of the U.S. and the Australian War Museum, and made a TV program based on them. The book reports the process of producing the program.

Staff of the NHK succeeded in locating close relatives of the KIA and took their last messages to the relatives.

I think the book is written well and conveys harsh realities of the war to readers.

I came to know that there was an apparent departure from fact. Kazumi Nagata, the first man to appear in the book, who was killed in Saipan in July 1944, is introduced as a lieutenant j. g. of the navy in the book but he was a commander in reality when he was writing his diary andwas  promoted to a captain posthumously.

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最近、重松清・渡辺考著「最後の言葉-戦場に遺された二十四万字の届かなかった手紙」2004年、講談社刊を読みました。太平洋戦争で戦死した日本軍の将校、兵士の日記が、連合軍によって集められ、翻訳されて情報分析に利用された後、公文書館等に保存されているそうです。この本は、これらのうち、4人の日記を読み、妻、兄弟などの遺族に届けることを描いたものです。同じテーマで、終戦の日ころに放送されるNHKのテレビドキュメンタリー番組が制作され、本はその制作の記録の形になっています。全体としては、現地の様子や戦死者の遺族のことが念入りに調べられていて、良い本と思いました。

ある事情があって、本の序章と第一章の主人公であるサイパンで戦死した長田和美という海軍士官のことを少し調べました。日記の原文は保存されておらず、英訳では「ある海軍将校の日記」というタイトルが付されているということです。本の本文には、階級は何も書いてありません。

ところが、第一章の冒頭に昭和19年7月4日と5日、最後の二日間の日記が枠入りで紹介されていて、それに「ナガタカズミ海軍中尉の日記」という見出しが付されています。

この階級が正しいのかどうか、サイパンで何をされていた方なのかなどは、私だけでは解明できず、防衛研究所史料室のスタッフに助けていただいた結果、日記執筆当時は海軍中佐、7月8日付けで大佐になっていたことが分かりました。また、南東方面航空廠部員というポストにいたことも分かりました。

著者も、遺族を探すために相当に調べたようで、明治35年生まれ、大正9年海軍機関学校入校、同校第32期卒業生、昭和3年に静江さんと結婚、サイパンでの戦死時に42歳ということまで書いてあります。海軍機関学校32期は、海軍兵学校51期と少尉候補生になるのが一緒(いわゆる「コレス」)で、旧軍の制度をある程度知っている人なら、昭和19年に中尉にとどまっているはずがないことが分かるはずです。

また、防衛研スタッフの指摘ですが、載っている本人の写真を注意深く見ると、襟の階級章は中尉のものとは断定できず、中佐とも見え、中尉にしては、着けている勲章、記章の数が多いということです。

いかなる事情でこのようなことになったのか、ちょっと分かりません。邪推すれば、米軍資料か、英語から日本語への再翻訳担当者の誤りを、知りつつあえて直さなかったのかも知れません。

この日記のことは、インターネット上のいくつかのブログなどで取り上げられており、誤情報が拡散流布しています。大多数の方は、一度活字になったものは信じるので、怖いと思います。

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